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”創発”という本に”アメリカ大都市の生と死”のことがたくさん書いてあった



創発という本を、takeちゃんに薦められて読んでみました。英語で emergency というらしいですが、かなり面白い内容で、ボトムアップによる仕組みについての可能性について熱く語られていました。簡単なルールで動く要素の集合が、監督者なしに集団としての知性を持つような振る舞いをすることへの魅力がさまざまな例を通じて述べられています。そうしたものの例として、アリンコや都市(!)、スラッシュドットのようなオンラインコミュニティが挙げられていました。スラッシュドットの成り立ち話もとても興味深く読めましたが、都市についての話はこの本で一番面白い部分でした。アイデアはJ.ジェイコブズの「アメリカ大都市の生と死」から借りてきているんですが、その本を昔読んだことがあってそのときに感じた印象をもっと研ぎ澄ました形で書かれていてなるほど!と思わせられることしきりでした。


J.ジェイコブズは、都市というのは都市の要素である人間が街路によって複雑に相互作用することで創発というボトムアップの構造化が行われ、一見それとわからないような複雑な秩序を生んでいるんだ、トップダウンで決められた再開発プロジェクトなどではややもするとその見えにくい複雑な秩序をだめにしてしまう、だいたいこんなことを述べています。僕はその本を読むまで、これほど都市を賛美した意見を聞いたことがなかったのでとても印象に残っていたわけです。


"創発"の中には「アメリカ大都市の生と死」が本来と違った意味で解釈されてきた、と紹介してあって、それがなかなか面白かったので紹介します。僕がこの本を紹介された先生も、こんなような文脈で捉えてはったんやろうなぁ~とおもって思わずニヤリとしてしまいましたよ!



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「アメリカ大都市の生と死」以来、歩道文化の賞賛者は左がかった都市論者のお決まりの議論となり、リベラル派の主張において誰でも合意するものとなっている。でも皮肉なことに、歩道による救世軍の最初の戦士としてジェイコブズを引用した批評家たちは、彼女がなぜ歩道をほめたのかというそもそもの理由を多くの場合誤解していた。それは彼らが歩道を一種の政治的な劇場としてみており、創発システムとしては見ていなかったからだ。....



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一部の批評家は歩道の多様性への層さんを笑ってしまうほど尊大な極端にまで推し進めている。マーシャル・バーマンは、1980年代初期のエッセイ「街路に繰り出せ」でこんなことを書いている:「貧しい人々は、公共の場で十分に生き生きと暮らすことについて、実に多くのことをわれわれに教えてくれた。 (中略) 街路を、リズムを持ってメロディックに歩く方法(を教えてくれた)。自分について新しいことを述べ、世界と新しい結びつきを得るために、色彩や装飾をどう使えばいいかを教えてくれた。日常の会話における英語の持つレトリック的、演劇的な力の引き出し方を教えてくれた」。言い換えると:貧乏人は実にリズムがありますなぁ!....




最後のはちょっと度が過ぎますね。。

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