村上春樹の"意味がなければスイングはない"を読んでみました。帯の文句がかっこいいなぁ~
月が消え、恋人に去られ、犬に笑われても、
なにがあろうと 音楽だけは
なくすわけには いかない。
ですって。確かに僕も高校生の頃から聴いてる歌もあるし、つらいときの現実逃避にはたいてい音楽を聴いていたり、そういう意味では昔からずっと変わらずに一貫して世話になっているし、どんな友達よりも音楽の方が付き合いが長いかもしれないなぁと思ったり。
肝心の本の中身ですが、取り上げられている中では聴いたことのない人の話も多かったんですけれど、面白かったです。僕には音楽を聴いてもここまで感じ取れんなぁ。
ブライアン・ウィルソンの話を読んで思わずビーチボーイズを聴きなおしてみました。
スタン・ゲッツの闇の時代、は読んでいておもわずゾクゾクしてしまった。ウイントン・マルサリスは最近 Apple の CM に出てた人だよね。
ブルース・スプリングスティーンの話と、ウディー・ガスリーの話を読んだら、アメリカの事がちょっと分かって面白かったです。(ウディー・ガスリーって toy story の woody とは関係ないのかな?)
引用してみると、
"もちろんアメリカにそれまでワーキング・クラスを描いた文学や音楽が存在しなかったわけではない。しかしエリック・オルターマンが指摘するように、ワーキング・クラスや貧困階級に属する人々を主人公とする作品は、純粋な芸術である前に、まず「政治的なもの」として分類されてしまう傾向がアメリカ分断にはあった。それにはひとつにはアメリカの文化や芸術が基本的に東海岸を中心とする知的エリート階層によってリードされているということが原因になっている。...
そのような動きは、50年代前半にアメリカを席巻したマッカーシイズムによって、徹底的に壊滅させられてしまった。それ以来、アメリカのメインストリームに対してノーを叫んだ芸術運動としては、50年代のビートニク世代や、60年代のヒッピー世代などがあげられるわけだが、どちらのムーヴメントもワーキングクラスとはほぼ無縁の世界で展開された運動だった..."
ボーン・イン・ザ・USA は物語が閉じられていないがために、殺伐とした歌詞が単純なアメリカ礼賛の歌として曲解されてベストセラーになったんだ、と書いていました。
ウディー・ガスリーの話では、1935年4月14日にオクラホマ州を襲って「ブラック・イースター」という名で呼ばれることになった黙示録的な砂嵐があったことが書いてあった。この年の砂嵐がきっかけになって、オクラホマの農民たちは、祖父が切り開いた土地をやむなく二束三文で売り払い、家族を連れて「約束の地」カルフォルニアへと向かう、「ダスト・ボウル・リフュジー(砂嵐難民)」は百万近くに上ったそうです。オクラホマ出身の貧乏白人(オーキー)っていう人たちがいたんですね。
"ほとんどの白人たちは農作業を求めてカリフォルニアに向かった。カリフォルニアに行きさえすれば、そこには豊かな生活が待っているといううわさがひろまったせいだ。しかし現実に彼らを待っていたのは、厳しい飢えと貧困と差別だった。彼らは「オーキー」という名で呼ばれ、一種のアウト・カーストとして蔑まれることになった。"
もう一冊、彼女から借りた"英語を学ぶ人のための英語史"というムツかしい本を読みました。
発音やスペルの変遷なんかはサッパリ分からなかったのですが、侵略や社会情勢が英語にどうやって影響を与え続けてきたかというストーリはとても面白かったです。
古英語は、インドヨーロッパ語族の言語のひとつとしてあり、アングロサクソンがケルト人を追い出してイギリスに持ってきたものらしいです。ワーグナーのオペラにもたしかあった、「トリスタンとイゾルデ」はケルト人の物語なんだそうな。
その後、デーン人の侵入を受けた後、ノルマン人の侵入を受けたそうです。ノルマン人はデーン人とおなじ人々で、大陸側にいたためフランス化したローマ文明の影響をうけてすっかりラテン精神を受け継いでいたらしいです。ノルマンディーはノースマンの土地、という意味なんだそうな。このノルマン人の侵入がものすごく英語に大きな影響を与えたと書いてありました。
もひとつ面白かったのが、アメリカ英語には、イギリスから持ち込まれた当時の古い形が保存されているという話でした。
この話、何かに似ているなぁと思っていたら、琵琶湖でもうほとんど見られなくなった日本自生種の水生生物が京都の疎水水系に生き残っている、という話でした。アメリカと疎水じゃ、ちょっと違うかな。。。
月が消え、恋人に去られ、犬に笑われても、
なにがあろうと 音楽だけは
なくすわけには いかない。
ですって。確かに僕も高校生の頃から聴いてる歌もあるし、つらいときの現実逃避にはたいてい音楽を聴いていたり、そういう意味では昔からずっと変わらずに一貫して世話になっているし、どんな友達よりも音楽の方が付き合いが長いかもしれないなぁと思ったり。
肝心の本の中身ですが、取り上げられている中では聴いたことのない人の話も多かったんですけれど、面白かったです。僕には音楽を聴いてもここまで感じ取れんなぁ。
ブライアン・ウィルソンの話を読んで思わずビーチボーイズを聴きなおしてみました。
スタン・ゲッツの闇の時代、は読んでいておもわずゾクゾクしてしまった。ウイントン・マルサリスは最近 Apple の CM に出てた人だよね。
ブルース・スプリングスティーンの話と、ウディー・ガスリーの話を読んだら、アメリカの事がちょっと分かって面白かったです。(ウディー・ガスリーって toy story の woody とは関係ないのかな?)
引用してみると、
"もちろんアメリカにそれまでワーキング・クラスを描いた文学や音楽が存在しなかったわけではない。しかしエリック・オルターマンが指摘するように、ワーキング・クラスや貧困階級に属する人々を主人公とする作品は、純粋な芸術である前に、まず「政治的なもの」として分類されてしまう傾向がアメリカ分断にはあった。それにはひとつにはアメリカの文化や芸術が基本的に東海岸を中心とする知的エリート階層によってリードされているということが原因になっている。...
そのような動きは、50年代前半にアメリカを席巻したマッカーシイズムによって、徹底的に壊滅させられてしまった。それ以来、アメリカのメインストリームに対してノーを叫んだ芸術運動としては、50年代のビートニク世代や、60年代のヒッピー世代などがあげられるわけだが、どちらのムーヴメントもワーキングクラスとはほぼ無縁の世界で展開された運動だった..."
ボーン・イン・ザ・USA は物語が閉じられていないがために、殺伐とした歌詞が単純なアメリカ礼賛の歌として曲解されてベストセラーになったんだ、と書いていました。
ウディー・ガスリーの話では、1935年4月14日にオクラホマ州を襲って「ブラック・イースター」という名で呼ばれることになった黙示録的な砂嵐があったことが書いてあった。この年の砂嵐がきっかけになって、オクラホマの農民たちは、祖父が切り開いた土地をやむなく二束三文で売り払い、家族を連れて「約束の地」カルフォルニアへと向かう、「ダスト・ボウル・リフュジー(砂嵐難民)」は百万近くに上ったそうです。オクラホマ出身の貧乏白人(オーキー)っていう人たちがいたんですね。
"ほとんどの白人たちは農作業を求めてカリフォルニアに向かった。カリフォルニアに行きさえすれば、そこには豊かな生活が待っているといううわさがひろまったせいだ。しかし現実に彼らを待っていたのは、厳しい飢えと貧困と差別だった。彼らは「オーキー」という名で呼ばれ、一種のアウト・カーストとして蔑まれることになった。"
もう一冊、彼女から借りた"英語を学ぶ人のための英語史"というムツかしい本を読みました。
発音やスペルの変遷なんかはサッパリ分からなかったのですが、侵略や社会情勢が英語にどうやって影響を与え続けてきたかというストーリはとても面白かったです。
古英語は、インドヨーロッパ語族の言語のひとつとしてあり、アングロサクソンがケルト人を追い出してイギリスに持ってきたものらしいです。ワーグナーのオペラにもたしかあった、「トリスタンとイゾルデ」はケルト人の物語なんだそうな。
その後、デーン人の侵入を受けた後、ノルマン人の侵入を受けたそうです。ノルマン人はデーン人とおなじ人々で、大陸側にいたためフランス化したローマ文明の影響をうけてすっかりラテン精神を受け継いでいたらしいです。ノルマンディーはノースマンの土地、という意味なんだそうな。このノルマン人の侵入がものすごく英語に大きな影響を与えたと書いてありました。
もひとつ面白かったのが、アメリカ英語には、イギリスから持ち込まれた当時の古い形が保存されているという話でした。
この話、何かに似ているなぁと思っていたら、琵琶湖でもうほとんど見られなくなった日本自生種の水生生物が京都の疎水水系に生き残っている、という話でした。アメリカと疎水じゃ、ちょっと違うかな。。。
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