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"物語" ということ

河合隼雄さんと村上春樹さんの対談本、"村上春樹、河合隼雄に会いにいく" の中に、 "物語" について書かれている箇所がありました。村上さんが小説を書き始めたのは、説明できないような事を小説という形にして切り離したかった、デタッチメントしたかったからだ、と書いていました。箱庭のような自己治癒のために物語を作るんだと。また、河合さんは、
"ストーリーというのは背後にイメージを持っていなかったら絶対に成立しないのですね。そして、たとえば、非常に内的なイメージがあったとして、それを他社に提示しようと思ったら、物語にするしかないんです。”
と書いていました。
これって面白いですね。"物語" って、そういう癒すパワーや、何か伝えにくいものを伝えるメディア的な役割があるんだなぁ。

最近読んだ、"知の編集工学" というものすごい大風呂敷をひろげた面白い本にも、人間には "物語" という道具を使って、毎日物事を考えたり報告書を書いたり家庭の物語をつくり、旅のプランを作っているんだ、という事が書いてあって興味深かったです。
なんでもこの本によると、世界中の物語にはいくつかのパターンがあってほとんどがそのパターンに沿ったものなんだそうです。"物語とは、生命そのものと同様に、国をこえ、時代をこえ、文化をこえて存在しているものだ” そうです。なんかすごいなぁ。まるでDNAみたいです。
(そしてカール・ユングはこれを「原型」とよんでいたそうです)
さらに引用すると、アメリカの神話学者 ジョセフ・キャンベル が明らかにしたところによると、世界の英雄伝説が一つのパターン、「セパレーション(出発)」、「イニシエーション(試練)」、「リターン(帰還)」という三段階の物語構造を持っているそうです。桃太郎や一寸法師や浦島太郎などの物語も、出発点があり、次に未知の国への旅立ちがあって、その途中で様々な試練に会い、そこで色々な同伴者やヒントをえながらやがて目標を達成すると、その国にとどまることを進められ、しかし、最後には決然と故郷の国に戻っていくという物語順序を持っているそうです。そして「男はつらいよ」の寅さんも、毎回美しい乙姫に会い、そこにとどまる事を進められ、そして袖を振り切って帰ってくる柴又の浦島太郎なんだそうな。なるほど、たしかにそうだ!
ジョージ・ルーカスはキャンベル先生の弟子だったそうで、スター・ウォーズもその英雄伝説物語構造を忠実に守っているのだそうな。面白いですね~。

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